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活動報告

平成24年2月定例会 予算特別委員会

桜本:
自民党・県民クラブの桜本広樹でございます。以下、質問に入らせていただきます。
まず、予算概要の66ページにありますリニア活用基本構想策定費についてであります。さきの一般質問においては、リニア新駅及び駅周辺の整備に当たって、例えば、ステーションスタジアムの併設や甲府市立動物園の移転、あるいは計画されているスマートインターを活用した大規模駐車場を持つ集客施設の設置など、一帯をテーマパークによる集客力のあるエリアとして整備すべきであるということを提案をいたしました。駅周辺整備については、開業までにまだまだ時間があることから、現時点では余り限定せず、いろいろなケースを検討していく必要があると思っております。
リニア中央新幹線は、新幹線と比較にならないほどの時間短縮効果をもたらす画期的な交通手段であります。山梨県は沿線各県のうちでもその恩恵を受ける可能性が高く、リニア開業はまさに本県が飛躍的発展を遂げる最初で最後のチャンスであります。こうしたチャンスを生かすためには、先入観のない創造的な視点が重要であると思います。その検討の際、都市計画や交通、テーマパークなどの観光、景観、環境などの分野において、グローバルな視野を持ち、リニアが開通する15年後にも第一線で活躍している専門家の意見を活用することが必要不可欠であります。
そこで、県では、将来の駅及び周辺整備に向けて、どのような専門家から御意見をお聞きすることにしているのかお伺いをいたします。
横内知事:
リニアの駅、そして駅周辺地域につきましては、議員の御指摘のように、本県の玄関口になるものでありまして、本県の発展をリードしていく拠点になる地域でございまして、大変に重要な地域でございます。その整備のあり方については十分に慎重に多方面の意見を機器ながら検討していく必要があるというふうに思っております。
現在でも、リニア活用推進懇話会という、都市計画とか交通とか観光といった分野の専門家が入った検討会におきましてさまざまな意見を伺っているところでございますけれども、これとはまた別に、ついこの間も全国のまちづくりに精通をしている有識者から有益な意見もいただきましたり、さまざまな今後御意見のある方々にそういったものを聞いていきたいと思っております。
今後は恐らく景観とか環境の問題とか、その他議員御指摘の点も含めて、多方面な、発想の豊かな方々の意見を聞くように努めていきたいというふうに考えております。
桜本:
私は先ほども言いましたように、リニアが開通する15年後にも第一線で活躍している方をという点をぜひ踏まえていただければと思います。例えば、海外においては世界じゅうから知恵や投資を集め、まさに世界基準でまちづくりを行っているところがあります。グローバルな視野からの提案をもらうためには、幅広くグローバルに専門家を募集することが必要であります。リニアについても世界で唯一の超電導方式を採用し、非常な高速性を持つ世界唯一の交通手段になることから、世界的な視野が欠かせないと思います。
そこで、駅及び駅周辺整備に向けては見識を有する多くの優秀な人材を公募し、アドバイザーとして幅広い意見を聞くことが有益だと考えますが、いかがお考えでしょうか。
小池リニア交通局長:
リニアは、本県活性化の起爆剤としての役割が期待されておりますけれども、その期待を現実のものとしていくためには、駅及び駅周辺を親しみやすく、魅力あるエリアとするとともに、リニア効果を県内各地で最大限活用できるようにしていくことが必要だと思っています。そのために、今後ともさまざまな高い知見を有します専門家から幅広い視点に立った意見を伺うことが重要であると考えておりますので、議員の御提案も踏まえまして、今後こうした専門家から有益な意見をいただけるよう、さまざまな機会をとらえ、できる限り工夫をしてまいりたいと考えております。
桜本:
一日に数万人規模のリニアの新駅に乗降客がまずはおりるようなシステムをぜひ真剣にとらえていただければと思います。

次に、当初予算課別説明書のリ5ページにありますバス路線対策費についてであります。路線バスは地域住民にとって最も身近な交通機関であり、通勤・通学、通院や買い物など、日常のあらゆる面で生活の足として欠かすことのできない重要な存在になっております。今後、高齢化が進む中で、マイカーを運転しない人がふえてくれば、路線バスの重要性はより一層高まっていくと考えます。しかしながら、県外ではバスの利用者数は減少の一途をたどっており、バス路線網は明らかに衰退傾向にあります。このままでは地域の重要な移動手段であるバス路線網が縮小してしまい、県民の日常的な移動に支障が出てくるのではないでしょうか。
そこで、バス路線の維持のため、市町村等に対してどのような支援を行っているのかお伺いします。
小池リニア交通局長:
県ではバス事業者が運行いたします広域幹線バス路線のうち、赤字となっております27路線に対して補助を行い、その運行の維持確保に努めております。また、バス事業者が赤字によりまして、その運行が継続できなくなった路線を市町村が引き継いで自主運行している61路線に対しましても、移動手段の確保のための支援をしているところでございます。
これら従前からの幹線バス路線のほかに、最近では各町村が地域内の移動ニーズに対応するためにデマンドバスとかコミュニティーバスなどの運行に取り組むケースもふえてきております。そのため、県では、運行主体の市町村が地域住民や事業者と協議いたします地域公共交通活性化協議会、これに山梨運輸支局とともに出席いたしまして、広域的観点からの助言等を行っているところでございます。
桜本:
バス事業者が運行する幹線と市町村が運行する地域内の路線がなかなか結びついていませんで、一体的なネットワークとなっていないと私自身感じております。県民の移動は住んでいる地域の中だけで完結するものでなく、市町村間をまたがる移動の需要も多くなっております。そこで地域のニーズにあわせて、地域内路線と幹線を接続していくべきではないかと考えますが、御所見をお伺いをいたします。
小池リニア交通局長:
市町村が運行いたしますデマンドバスやコミュニティーバスというのは、地域内の移動ニーズを最優先に運行されておりますので、必ずしも幹線バスや鉄道等に円滑に接続されていないという場合もあることも事実でございます。
こうした中、本年度の地域公共交通に対します国庫補助事業におきましては、デマンドバスなどが広域的に運行される路線、これに接続されることを新たな補助要件としておりまして、より一体的な交通ネットワークの構築を推進する制度に改められております。
これらの国の動向を踏まえまして、県民の広域的な移動ニーズにも対応できますよう、今後は事業者が運行いたします幹線と、市町村が運行いたします地域内路線の一体的なネットワーク化をさらに進めてまいりたいと考えております。
桜本:
国の施策によって大きく変わるということも御意見のとおりでありますが、やはり私、大きく2つの課題があると思います。事業者が運行する路線バスと市町村が運行するデマンド交通や、今お話に出ましたコミュニティーバスが競合する場合が多々ありまして、実際にバス事業者が運行する路線バスが一部廃止に追い込まれるようなケースが具体的に出てきております。これらが相互にうまく補完し合わなければ、両方とも立ち行かなくなってしまうということが地域にとって今、大きな損失となっていくと私は考えています。
もう一つは、通勤・通学などのニーズにきちんと対応することも大事であり、路線バスとコミュニティーバスの組み合わせも含め、帰宅用の夜間の便を充実するなど、利便性の向上を図っていく必要もあると思います。
これらの課題に対応していくためには、それぞれの役割分担を明確にして、お互いの運行する路線をスムーズに接続させることでサービスを向上し、利用者の増加を図っていかなければならないと思います。
そこで、県が中心となって事業者と市町村の、あるいは複数の市町村間の連絡調整を行い、計画的にバス交通全体のネットワーク化を進めていくことが必要と考えますが、御所見をお伺いをいたします。
小池リニア交通局長:
これまでコミュニティーバスの運行ダイヤを「山梨バスコンシェルジュ」等へ掲載いたしまして、一体的な利用を働きかけるなどの取り組みを行ってまいりました。加えて、今年度は新たに山梨運輸支局やバス事業者で構成いたしますバス交通活性化検討会や、市町村交通政策担当者会議を立ち上げまして、事業者と市町村間の連絡調整の強化を図っているというところでございます。
今後も、事業者と市町村の役割分担を明確にする中で、県内のバス交通の一体的なネットワーク化や利便性の向上をさらに推進してまいりたいと考えております。
桜本:
ぜひ県が中心となって、今後の連絡調整をしっかりやっていただければと思います。

次に、予算概要の30ページにあります、やまなしサポーターズ倶楽部事業費についてであります。県では、富士山や南アルプスなどの自然景観、桃やスモモ、ブドウなどのフルーツ、ワイン、ジュエリーなど、全国に誇る多くの魅力ある資源を積極的にアピールし、本県のイメージアップを図るため、本県ゆかりの750名を超える方に山梨大使としてやまなし情報の発信活動をお願いするとともに、大使に対する情報誌の提供、交流会の開催を行っているところであります。
しかしながら、やまなし大使を委嘱する基準は、本県にゆかりの方としており、その基準があいまいであると考えますが、御所見をお伺いをいたします。
後藤観光部長:
やまなし大使につきましては、「山梨県出身または山梨県にゆかりがあり、在京で活躍されている経済人、文化人等」ということを大使委嘱の基準としておりまして、企業経営者などの経済関係、また、大学教授などの学術文化関係、その他メディア関係、芸能関係など、さまざまな分野で活躍されている幅広い職業、年代の方々にお願いしているところであります。
このように多種多様な分野におきまして効果的にその業務や口コミを通じて、本県の幅広いPR等を行っていきたいという考えから、今後とも本県にゆかりのあること、また東京圏で活躍していることなどの現行の基準によりまして、その方の持っている情報発信力等に期待しながら就任をお願いしていきたいと考えております。
桜本:
大使を委嘱する基準については考え方の違いもありますが、さまざまな分野の方が山梨大使になられ、本県の情報発信を行っております。しかしながら、その状況が我々はもとより、一般県民の皆様方にもなかなか見えてきません。そこで、大使の活動の状況をしっかり検証して、その成果をほかの大使にも紹介し、活動の参考としたり、県民にも公表したりしていく必要があると考えますがいかがでしょうか。
後藤観光部長:
山梨大使につきましては、それぞれの立場やネットワークを通じてさまざまな場面で本県のPRを行っていただいておりまして、その活動状況につきましては、毎年、アンケートへの協力をお願いしておりまして、それによりまして把握に努めているところであります。
その活動状況につきましては、年に1回、東京都内において開催しますやまなしサポーターズ倶楽部交流会というものにおきまして、大使の活動事例を発表するなど、ほかの大使の方にも参考としていただいているところです。
また、大使の中にはインターネットを活用した個人のブログ、また、ツイッター、フェイスブック等によりまして、山梨に関する情報を広くPRしていただいている方もいらっしゃいます。
今後は、交流会の開催状況等を県のホームページで紹介するなど、やまなし大使の活動状況につきまして、広く公表していくようにしたいと思います。以上です。
桜本:
今、インターネット等による大使の情報発信などの事例を聞きましたが、せっかくこれだけの方々を大使にお願いしている中で、情報発信だけではもったいないような感じもいたします。
そこで、さまざまな分野で活躍されている大使へのアンケート以外に、大使の意見をより効果的に県政に生かすような視点も必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。
後藤観光部長:
これまで大使へのアンケート以外にも、大使への定期的な情報提供の際、大使の意見、提案などを求めているところでありまして、例えば大使の橋渡しによりまして県外農業生産法人の県内進出や、また、国際会議での県産ワインの使用、雑誌への本県記事の優先的な掲載など、大使の提案や御協力によりまして、本県の企業誘致や観光、県産品のPR等に寄与していただいております。
また、これまで観光振興の観点から、観光分野に造詣の深い大使からはおもてなしの観光や、また観光PRのあり方などにつきまして御意見を伺ってまいりました。
やまなし大使はさまざまな分野で活躍されていますことから、今後は、より幅広い分野に関して大使から意見を伺う機会を設けるなど、大使の一層の御協力をお願いしていきたいと考えております。
桜本:
山梨県においても、この750人余りの方々は財産であります。その方々がぜひ県民の方々に対して周知徹底できるような、そんな方策をぜひ進めてください。

次に、当初予算概要の63ページにあります外国人観光客誘客促進おもてなしキャンペーン事業費についてであります。昨年の東日本大震災に伴う原子力発電所事故等の影響から、外国人観光客は大幅に減少いたしました。日本政府観光局の訪日外客数調査では、ことし1月、2月の前年度比11%減という状況ですが、この時期に旧正月に当たる春節が重なった中国からの訪日客は過去最高を記録するなど、中国、台湾を中心に震災の影響から回復しつつあります。
また、県内については、観光庁の宿泊旅行統計調査によると、震災後の昨年4月に前年度月比97.9%減という状況であり、全国でも最も大きな減少率となっていましたが、先日発表された昨年12月の状況では、前年同月比22.6%減となり、中国を中心として回復傾向にあります。
こうしたことから、今後の本格的な回復に向け、さらに外国人観光客の誘致に向けた取り組みを進めていくことが必要であります。
このため、今回のキャンペーン事業について私は非常に重要なものと認識しております。外国人観光客が何を目的に本県を訪れ、また、本県のどこがよかったのか、足りないところはどこだったのか、おもてなしの原点にも通じる満足度あるいはニーズ調査を行って、県全体で外国人観光客を温かく迎える体制づくりに反映していくことが大切であります。
そこで、このキャンペーンについてはどのような内容で行うのかをお伺いをいたします。
後藤観光部長:
本キャンペーンにつきましては、来県した外国人観光客へのおもてなしの実践とニーズを把握することによりまして、海外からの誘客を促進することを目的としまして、明年2月の春節前後の1週間、実施することといたしております。
キャンペーンでは、県内に宿泊した外国人観光客の皆様に歓迎のメッセージを送りますとともに、おもてなし等に関するアンケートに回答いただいた方に記念品を贈呈することとしております。このアンケートによりまして、本県における外国人観光客の動向を調査しまして、おもてなしに関するニーズなどを把握し、今後の取り組みに活用していきたいと考えております。
桜本:
外国人観光客を温かく迎えるためには、キャンペーンについて観光事業者に十分理解をしていただく。そして、外国人観光客の本県での印象は、最も長い時間を過ごす宿泊施設でのおもてなしによって左右されますので、宿泊施設の皆さんにもキャンペーンの意図を十分理解して協力してもらうとともに、アンケートの内容についても観光事業者の方々の御意見を反映していくことが必要であります。そこで、どのような方法で実施していくのかお伺いをいたします。
後藤観光部長:
本事業につきましては、やまなし観光推進機構を実施主体としまして、市町村や各地域の観光団体と連携する中で実施してまいります。宿泊施設などの観光事業者には外国人観光客へのおもてなしの実践としての本事業の趣旨を御理解いただきまして、キャンペーン内容の説明を初め、メッセージの贈呈やアンケートの回収などに御協力をいただきたいと考えております。
また、アンケートにつきましては、観光事業者の皆様の御意見を伺う中で、質問内容を検討しますとともに、結果を広く公表いたしまして、外国人観光客へのおもてなしの向上など、今後の観光事業に役立つものにしていきたいと考えております。
桜本:
1万人規模のアンケートというようなことで、アンケートの回答者への記念品についてということで、山梨県らしさを感じられるもの、また、外国人旅行者にとって価値のある、喜ばれるものをお贈りすることが大切だと思っております。また、特別なプレゼントであることを意識してもらうためには、限定品であることを印象づける工夫も必要だと思っております。
 そこで、具体的にどのようなものを想定して、喜ばれるようなものを提供しているのか、お考えを伺います。
後藤観光部長:
アンケートの回答者への記念品につきましては、現在、マグカップを予定しております。まず、山梨らしさを感じられるようにするためということで、「山梨」という名称を入れ込むほか、本県を代表する観光地であります富士山とか桃やブドウなどの特産品をイメージし、表面に描きまして、外国人観光客に本県の魅力を感じていただけるデザインにしていきたいと考えております。
また、本県を訪れた方への限定品であるという印象をつけるため、世界的に人気の高いキャラクターの活用や、また、西暦などを入れ込むような工夫も行っていきたいと考えております。
桜本:
本当にもらってよかった、もらったところにもう一度訪れてみようという気になるような、非常にすばらしい贈り物を期待をしております。

次に、予算概要の46ページにあります米倉山太陽光発電等のPR事業費についてであります。先日オープンしたゆめソーラー館やまなしについては、オープン1カ月で3,000人を超える来館者があり、米倉山太陽光発電所に関する県民の関心の高さを実感するところですが、知事が提唱するクリーンエネルギー先進県やまなし、この実現に向けてより一層の普及啓発活動が必要であると思います。
企業局では米倉山のゆめソーラー館やまなしにおいてPR事業を行っていくこととしております。そこで、予算概要を見ますとPR事業費として1,4000万円余が計上されていますが、どのような事業を行っていくのか、また、何を財源としていくのか、まずお伺いをいたします。
中澤公営企業管理者:
PR事業の内容につきましては、ゆめソーラー館やまなしを環境学習の場として活用していただくとともに、施設を活用した学習講座を開催するなど、展示や講座を通じて広く情報発信を行っていくこととしております。
これらPR事業に係る費用につきましては、東京電力から支払われる米倉山太陽光発電所の環境価値を財源としております。
桜本:
ゆめソーラー館やまなしにおける情報発信などの取り組みをしっかり行い、太陽光発電等の次世代エネルギーへの県民の理解を深め、クリーンエネルギー先進県やまなしの実現につながるよう、取り組みを期待しているところでありますが、PR事業費の財源について、東京電力から収入とする環境価値とのことですが、そもそも環境価値とはどういうものなのか、また、その収入金額は幾らなのかお伺いをいたします。
中澤公営企業管理者:
太陽光発電などの再生可能エネルギーによる電気は、電気そのものの価値のほかに、二酸化炭素を排出しないという価値を持っておりまして、この価値が環境価値と呼ばれているものであります。電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法という長い法律がありますけれども、通称RPS法というふうに呼んでおりますけれども、この法律では環境価値は電気そのものの価値と切り離して単独で売買することができるというふうに規定をされております。
米倉山の太陽光発電所は県と東京電力との共同事業でありますので、発生する環境価値の2分の1を東京電力から県が受け取ることとしておりまして、その金額は年間2,572万5,000円であります。
桜本:
今、非常に問題になっている東京電力側から収入金額が2,500万円余と伺いましたが、この金額はどのように算定された額であるのか、また、今後変動していくものなのかどうかお伺いをいたします。
中澤公営企業管理者:
環境価値の取引価格につきましては、国の方で調査結果を公表しておりまして、この共同事業を開始いたしました平成21年度当時の価格は1キロワットアワーにつき4.9円でございました。この公表された価格4.9円に米倉山太陽光発電所から送電をされます電力量を乗じた額の2分の1であります2,572万5,000円を県の収入としたものでございます。
環境価値の収入はPR事業などに充てることとしておりますので、東京電力が17年間にわたりまして同額を県に支払うことが約束をされております。
桜本:
17年間というようなお話も出てきました。東京電力からの安定的な収入ということになるわけですが、PR事業費の約1,400万円以外の残額はどのように使われているのかお伺いをいたします。
中澤公営企業管理者:
残額についてはどのように使われるかということですけれども、残額につきましては、一般会計におきまして特定鳥獣適正管理費の中のニホンジカ個体数調整捕獲事業費や甲府市に支払う所在市町村交付金へ充当されることになっております。
桜本:
こういったときにやはりこういった説明を受けて、ああ、そういったお金の流れかということがわかりますので、非常に貴重なお答えだと思っております。
環境価値収入については、太陽光発電所が生み出す価値の対価である貴重な収入ということですので、今後も環境価値収入の趣旨に沿った効果的なPR事業や環境施策などに充当していくことがこれからもよいことだと考えます。

次に、予算概要の26ページにあります地域産業リーダー養成支援事業費補助金についてであります。本県の基幹産業である機械電子産業など、ものづくり産業の持続的な発展のために、優秀な技術系人材の確保・育成が極めて重要であります。
山梨大学工学部に平成21年に創設された地域産業リーダー養成特別枠は、将来の本県産業界を担う優秀な技術者を養成する制度ですが、これに対して産業界と県が一体となって支援をしており、その成果に大いに期待しているところであります。
そこで、まず、制度創設後3年間で、これまで何人が特別枠で入学しているのか、また、どのような教育が行われているのかお伺いをいたします。
新津産業労働部長:
山梨大学工学部では、地域産業リーダー養成特別枠の学生の選抜につきましては推薦入試という方法で行っております。募集人員ですが、21年度が機械システム工学科と電気電子システム工学科の2学科4名、22年度からは応用化学科ほか1学科を加えまして、4学科7名としております。この3年間で18人の募集枠に対しまして志願者が32名、うち合格者は10名という状況でございます。
教育内容ですが、特別枠の学生に対しましては、他の学生と同様の履修科目に加えまして、県内企業の経営者等を講師に招いた特別演習等を行いましたり、県内企業を訪問して先端技術を学ぶ特別インターンシップ事業などを行っております。これらの経費につきましては県が支援をしているところでございます。
これらの演習やインターンシップにおきましては、特別枠の学生がみずからテーマを設定して、企画、運営を行うなど、学生側でも意欲的に取り組んでいると伺っております。
桜本:
3年間の特別枠の入学者数は、特別入学枠18人に対して10人ですが、事業の効果を考えると、もっと多くの学生にこの特別枠の教育プログラムを学んでほしいと思います。将来の本県産業界を牽引していくべき優秀なリーダーを育てるという、この制度を生かすためには、推薦する側の高等学校に制度をもうちょっと周知して、優秀な高校生が応募するよう働きかけて、推薦者をふやしたり、学生を選抜する側の山梨大学においても、選抜方法を改善したりするなど、特別枠の学生をふやすために何らかの創意工夫が必要であると考えます。
そこで、この制度を生かすため、今後、優秀な学生の確保にどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。
新津産業労働部長:
特別枠の学生に対しましては、機械電子工業会から奨励金を支給しておりまして、こうした産業界からの期待にこたえられる優秀な人材というのを確保、育成していくためには、応募する生徒も一定の水準を満たしていることが必要でありますので、このため、一般の推薦入試よりも高い基準で現状選抜をしているところでございます。
明年度からは、大学や高等学校、産業界と県で、これまでの中間評価を行いまして、今後のあり方について検討をすることとしておりますので、御指摘がありましたように、大学や高校と連携をいたしまして、優秀な学生が確保できるよう検討してまいりたいと考えております。
なお、山梨大学におきましても、これまでの経過を踏まえまして、入試段階の選抜だけでは募集人員を満たすのに限界があるのではないかとしておりまして、入学後においても意欲がある学生を選抜するといった方法について検討を始めるというふうに聞いております。
桜本:
優秀な人材を、まずは生んで育てるという、そういったまた新しい観点の中で大学側にも新しい中で門戸を開いていただければ、なお優秀な人材、そして山梨の発展性を応援いただけるような生徒になっていくかと思います。ぜひ頑張っていただければと思います。

次に、予算概要の23ページにあります電力貯蔵技術研究推進事業費についてであります。県は、昨年6月、公益財団法人鉄道総合技術研究所と協定を結び、今後、超電導等を用いた電力貯蔵技術の研究の推進に共同して取り組むことにしていますが、この研究の目的及び内容について改めてお伺いをいたします。
中澤公営企業管理者:
太陽光発電などの再生可能エネルギーは、日照時間などの自然条件によりまして発電量が大きく増減することから、これらのエネルギーを本格的に普及をさせていくためには、電力貯蔵装置によりまして発生電力を平準化する必要がございます。このため、日本を代表する超電導技術の研究機関であります鉄道総合技術研究所と連携をしまして、本県にゆかりのある超電導を用いた電力貯蔵装置の実用化に向けた実証試験を米倉山で行っていくこととしております。
桜本:
福島第一原発事故以降、各地の原子力発電所の再稼働が進まない、あるいは電力不足の長期化が懸念される中で、東京都が100万キロワットの天然ガス発電所の建設プロジェクトを進めるなど、地方自治体が電力の地産地消の取り組みを進めており、本県にとっても、大手電力に依存しない電源で、緊急時でも安定的な電力供給を続けられる体制づくりが必要と考えられます。
本県の場合、恵まれた自然環境を生かした太陽光などの再生可能エネルギーによる地産地消を目指していくことが重要であり、研究の成果を大いに期待しております。
超電導技術については、電力貯蔵だけではなく、リニア中央新幹線に代表される輸送分野、さらには医療や通信など、さまざまな分野で応用技術が考えられます。この研究事業においても電力貯蔵機器の開発だけではなく、研究の折々に成果を社会に還元していただき、再生可能エネルギーの普及促進を図るとともに、県内産業の活性化につなげていくことがさらに重要であります。
そこで、超電導を利用した電力貯蔵技術の実用化に向けて明年度の取り組み及び今後のスケジュールについてお伺いをいたします。
中澤公営企業管理者:
明年度につきましては、有識者による検討委員会の意見を踏まえまして、本年度に策定をした基本計画をもとに、実施計画を策定するとともに、米倉山の未利用地に建設を予定しております実証試験用の太陽光発電所の測量、調査及び設計を行うこととしております。
今後のスケジュールにつきましては、検討委員会から意見をいただきながら策定をする実施計画の中で決定をしていきたいと考えております。以上でございます。
桜本:
米倉山での実証試験であり、リニア中間駅はその米倉山のすぐ北側に予定されております。内陸部最大級の太陽光発電所だけでなく、最先端技術の研究拠点が米倉山に整備されることにより、リニア中間駅と関連した、夢が広がるプロジェクトとして期待をしております。
 今、時代はスマートグリット、あるいはスマートシティーというように飛躍的に新しい分野に突出していく時代がまさに来ようとしております。その中心地である米倉山を、ぜひ全世界に発信していくような研究施設に1日も早く着手することを期待をしております。

次に、予算概要の26ページにあります大学生U・Iターン促進事業費についてであります。少子高齢化が急速に進む中、本県経済を将来にわたって持続的に発展させるためには、当たり前のことですが、若者の力が必要であります。本県の高校卒業生の多くが県外の大学、専門学校等に進学をしております。
そこで、県外に進学された若者が卒業後にどれぐらい本県にUターン就職しているのか、また、県ではUターン就職支援にどのように取り組んでいるのかお伺いをいたします。
新津産業労働部長:
まず、Uターン就職の状況でございますけれども、首都圏の大学、専修学校等の172校に対しまして昨年、調査をいたしました。118校から回答がありまして、昨年3月卒業生のうち23%が本県にUターン就職をしているという状況でございます。
次に、県の支援につきましてですが、東京事務所内に設置をしておりますやまなしU・Iターン就職支援室におきまして、また、首都圏の大学等の就職説明会に本県のコーナーを設けまして、学生からの個別相談に対応しております。
また、山梨U・Iターン就職フェアを東京で開催して、県内企業との個別面接の場を提供いたしますとともに、首都圏の大学の就職担当課長さん等を山梨に招きまして、県内企業と直接情報交換できる場を提供しております。
さらに、本県出身の学生に対しまして、メールによる情報提供を行うために、「ユースバンクやまなし」にあらかじめ登録をしていただきまして、県内企業の求人情報とか合同就職面接会の情報を定期的に配信するなどの工夫をしておるところでございます。
桜本:
私も就職説明会、事業者側と何回か参加をさせていただきました。そのように年間でも回数をふやしていくとか、あるいは説明場所の会場を変えるとか、いろいろなこれからの工夫も必要ではないかと思います。
厳しい経済雇用情勢を耳にして、県外に進学した学生の親御さんも大変心配をしております。こうした中、県内の魅力ある企業の情報を、県外に進学された学生さんや、その親御さんに的確に伝え、県内企業に注目していただくことが本当に重要なものであると考えます。
また、東日本大震災以降、地元就職を意識するようになった学生も非常にふえてくるなど、Uターン志向が強まってきているのも事実であります。むろん、若者の雇用の場の確保が不可欠ではありますが、一方で、私は、山梨に帰ってきたいというニーズに的確にこたえられるよう、東京事務所の就職支援室に県内企業のさらなる魅力を知る人を増員し、これまで以上に足繁く大学回りを行い、親身になって学生の相談に応じられる体制が必要と考えます。
そこで、県は、Uターン就職にさらに積極的に取り組んでいく必要があると考えますが、御所見をお伺いをいたします。
新津産業労働部長:
学生への相談体制につきましては、U・Iターン就職支援室に民間企業出身の経験豊富な人材を配置しておりまして、来所者を初め、電話やメールによる相談に対応しているところでございます。
また、今年度2月末までに首都圏の大学など133校、延べ185回訪問をしておりまして、Uターン就職希望者の発掘を行いますとともに、希望の出されました36校につきましてはキャンパス内で出張相談会を開催いたしますなど、U・Iターン就職希望者に対する相談体制については充実を図っているところでございます。
一方、親御さんを対象とした就職セミナーも開催をしておりますし、大学の父母会が県内で開催されます場合に、県内への就職相談コーナーを設けるなど、保護者にも県内企業への就職を働きかけてきているところでございます。
さらに、学生の間では、スマートフォンを使った就職活動、これが一般的とんなっておりますので、本年1月末からスタートさせましたけれども、全国初となるスマートフォンの閲覧に対応した就職支援サイトを開設いたしまして、県内企業の魅力とか求人情報につきまして、県外におります学生にリアルタイムで提供するなど、ITを活用したU・Iターン就職の促進に取り組んでいるところでございます。
桜本:
大学、専門学校等も東京だけではなく、神奈川、千葉、埼玉、茨城というふうに非常に広がっております。その中で非常勤の方1名という配置の中ではちょっと足りないのかなという、私、そんな気がしてなりません。やっぱりマンパワーということで、足で稼ぐという、そういった、やっぱり汗を流して県外の学生の方に県内企業のよさを1つでも多く伝えていくという、そういった姿勢がこれからは本当に問われていくのではないかと思っています。
ぜひ、県と、そして大学、専門学校等とが一体となった新しい芽が開くように、ぜひお力を添えていただければと思います。
以上をもって質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

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