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活動報告

平成24年2月定例会

桜本:
私は、自民党・県民クラブの立場から、今定例県議会に提出されました案件並びに県政一般について質問いたします。
横内知事におかれましては、長年の県政課題に解決の道筋をつけるとともに、暮らしやすさ日本一の山梨づくりに向けて、積極果敢に取り組みを進めており、心から敬意をあらわすものであります。
今議会では、私の政治理念である「わかる政治みえる議会」のもと、私が公約として掲げてきた案件を中心に、今後の本県発展に向けての提案を含めて質問をさせていただきます。
それでは、以下質問に入ります。

初めに、リニア新駅周辺地域のステーションスタジアム建設等まちづくりのあり方について伺います。
リニア中央新幹線の開通後の県土づくりについては、明年度、策定されるリニア活用基本構想の策定等を通じて、検討がされていくことと承知しております。こうした中、リニア新駅周辺のまちづくりには、多くの県民が一方ならぬ関心を抱いており、現段階では、さまざまな可能性をテーブルに載せて検討を進めていくことが必要と考えます。そこで、幾つか具体的な提案をいたしますが、見解をお示しください。
県が昨年11月に行ったリニア新駅周辺のまちづくりに関する調査の中で、既存の新幹線駅との比較を行っておりますが、この方法がふさわしいのか疑問を感じます。
リニア中央新幹線は、品川─甲府間を約15分、品川─名古屋間を40分で結び、新幹線とは比較にならないほどの時間短縮がなされます。停車駅の数も、リニア中央新幹線の方がはるかに少なく、新幹線駅周辺のまちづくりとの比較検討を行うことは無理があり、山梨のリニア新駅構想の枠を狭めてしまうおそれがあります。こうしたことから、リニア新駅周辺のまちづくりについては、今までの新幹線駅にはない発想を行うことが求められます。
このような観点に立つと、リニア新駅周辺地域には、さまざまな可能性が考えられます。例えば、甲府南インターチェンジの隣接地に構想されている甲府市地域振興複合施設との連携や、山梨大学生命環境学部の校舎新設、甲府市立動物園の移転等が挙げられます。市立動物園の郊外移転はたびたび話題になっておりますが、動物園は、北海道旭山動物園のように、工夫次第で非常に集客力のある魅力ある施設になりますので、検討の余地は十分あると考えます。
また、リニア新駅付近の中央自動車道スマートインターチェンジの設置にあわせ、東名高速の海老名パーキングエリアのような大規模な駐車場を備えた集客施設を中日本高速道路株式会社により整備してもらい、地元産品の販売や食の提供などを行うのはいかがでしょうか。
このように、リニア新駅周辺を多くの人が集まり、にぎわいのある、いわゆるテーマパークとすることで、駅周辺の魅力、山梨の魅力を高められると考えます。そこでまず、リニア新駅周辺のまちづくり構想について、県の御所見をお伺いいたします。

次に、ステーションスタジアムの建設についてであります。
私は、リニア新駅に、例えばサッカー場のようなスタジアムを併設させ、ステーションスタジアムにすることを提案いたします。駅の近くにサッカー場を設置するのではなく、駅そのものにサッカースタジアムを併設させます。駅の改札を抜けると、すぐそこにスタジアムがあることで、数万人規模の集客が可能となり、国内有数のスタジアムとしてリニア新駅の魅力を高めるはずです。このように、私は、リニア新駅及び周辺地域に魅力ある集客力を備えることが第一と考えますが、県の御所見をお伺いいたします。

次に、子供たちが描く、リニア開業後の未来についてであります。
リニア活用基本構想の策定過程の中で、広く県民に意見を求めるとともに、リニアが開業する15年後に社会の第一線で活躍している子供たちにも、リニア開業後の姿の絵を描いてもらう、作文を書いてもらうなど、幅広く意見を求める工夫も必要だと考えますが、県の御所見を伺います。

次に、世界規模でのアイデア募集についてです。
リニア新駅周辺地域のまちづくりに関して、世界規模でのアイデア募集について、さまざまな可能性があるリニア新駅周辺整備を今までのまちづくり計画の策定と違う視点で行うためには、斬新なアイデアを引き出すことが最も重要であります。
グローバル時代にふさわしく、全世界からアイデアをいただくようにすれば、話題性も高まり、山梨の名を世界にとどろかすことができると考えます。このように世界規模でのまちづくりアイデア募集について、県の御所見をお伺いいたします。

次に、リニア新駅と甲府駅を結ぶアクセスについてです。
リニア新駅から甲府市中心部までのアクセスについて、さまざまな方から具体的な案が提案されております。
私は、リニア新駅とJR甲府駅を結ぶアクセスは、リニア新駅及び周辺地域のまちづくりがどのような姿になるかによって決まってくると思います。例えば、ステーションスタジアムが建設された場合、数万人規模の乗降客が利用することになり、バスでのアクセスは不便なものになります。
まず、リニア新駅及び周辺地域をどのような姿にするかが明らかになった上で、アクセス方法を検討することが必要だと思いますが、御所見をお伺いいたします。

次に、南アルプスインターチェンジ周辺への国際物流センター設置についてであります。
内陸型国際物流センター、いわゆるインランドデポの特徴は、外国貨物の積みおろし、集荷、配送、梱包、低温、冷凍冷蔵などニーズに応じた一時保管ができること。蔵置中の外国貨物には関税や消費税などが課されないため、その資金負担がないこと。コンテナヘの荷出し、荷詰め及び混載貨物の積載と搬送が一貫してでき、効率化が図られることなどが挙げられます。
また、輸出入の通関機能も持っておりますので、県内輸出業者が商社等を通さず、直接貿易が行いやすくなるメリットもあります。
さらに、地域振興の面では、フォークリフト作業や仕分け作業、事務など新たな雇用が創出され、企業にとっても、迅速な通関手続や輸送コストの削減につながるので、事業の拡大に資金を回せることになります。
こうした数々のメリットを考えますと、東日本大震災によるサプライチェーンの被災によって、沿岸部より内陸部の物流センターのニーズが高まっているこの折に、中部横断自動車道の開通により、アクセスが飛躍的に向上する南アルプス周辺へインランドデポを設置する必要性は非常に高いと考えております。
昨年、私が調査した群馬県の太田国際貨物ターミナルは、平成12年4月に開業し、海上輸出入を中心に取扱件数、取り扱い重量とも安定的に推移しており、同じ内陸部である本県でも、十分、取り扱い量は見込めるはずです。
そこで、まず、私の6月議会における質問に対し、その後の状況をお伺いいたします。
また、昨年12月に改定したやまなし農業ルネサンス大綱では、県産果実の輸出額の数値目標を、平成18年度の1億7700万円から平成26年度には5億円としていますが、このことから、輸出の際に必要な検疫の重要性が増すことが予想されます。
インランドデポ内に検疫所の出先機関が併設されれば、農協等の利便性が高まることで、輸出量が増え、山梨の桃は世界的なブランドになるはずです。
さらに、県内に点在しているさまざまな業種の配送センターを、インランドデポを核とした地域に集約するとともに、新たな企業を誘致し、一帯を物流拠点にすることで、物流の合理化や環境負荷の低減などが可能となると考えます。
インランドデポの設置を検討する上では、これらのことを念頭に置きながら研究することも重要であると考えますが、御所見を伺います。

次に、南アルプスインターチェンジ周辺における農園、ロハスファームづくりについて伺います。
都市住民のゆとりある生活の実現や農村地域の活性化を図るために、レクリエーション等の余暇活動として行う農作物の栽培、農業体験や農村での生活など、都市と農村が行き交うライフスタイルが強く求められています。
都市住民には、レクリエーション等の余暇活動として、新しい観光・レジャーの提供になり、スコップやくわを使って汗を流し、体力づくりをした先に収穫が得られる農作業は、新しい健康産業の提供にもなります。また、農園での収穫物を直売所などで消費者へ販売することで、都市住民と地域住民の交流の場になるほか、六次産業化への発展や雇用の創出なども期待できます。
私は、都市農村交流を進めることにより、観光産業や農業の振興につながると確信するものですが、現在の取り組み状況について伺います。
農林水産省が実施した平成22年度の荒廃した耕作放棄地等の状況調査によると、山梨県の耕作放棄地面積は2,695ヘクタールであり、依然として多い状況です。
現在、山梨県耕作放棄地再生活用指針を設け、市町村ではこの指針に基づき、耕作放棄地解消五ヵ年計画を策定し、耕作放棄地を一筆ごとに調査し、対策を行っておりますが、まだまだ耕作放棄地の解消は十分でないのが実情だと思います。現在の県の取り組み状況について、お聞きします。

次に、耕作放棄地を活用したロハスファームづくりについてであります。
都市住民と地域住民の交流のため、現在、耕作放棄地となっている土地を、県と市町村が連携して農園として整備し、県民や都市住民が農業体験を行うために提供します。
開設当初の農園整備や都市住民等の受け入れについては、県や地元の市町村で行いますが、農園の管理運営はNPO法人、企業、大学、県、市町村などの産学官連携組織などに運営していただき、都市部の自治体との交流や大学のカリキュラムの一環として利用してもらうことがよいと考えます。こうした取り組みは、ロハスファームというべき新たなビジネスモデルの構築となることが期待されます。
今後、産学官連携組織による耕作放棄地を活用した市民農園などの開設を促進するためには、県が主導となって、権利関係の調整や土地条件の整備を行い、民間活力を導入することが必要不可欠です。また、各市町村が独自に耕作放棄地の解消・整備を行うよりも、県主導で行うことが効率的と考えますが、県の所見をお伺いいたします。

次に、伊奈ヶ湖県民の森の日の制定について伺います。
県では、多くの県民が豊かな山や森林の恩恵を享受できる社会の実現を目指し、8月8日をやまなし山の日と定め、普及啓発活動を行っています。
こうした中、気軽に山や森林と触れ合う場として、県内には3つの森林公園があります。地元市町村にとっては、観光や交流の拠点ともなっています。
観光振興において、地域の人々が誇りを持たないところに人は来ないと言われますが、より一層、県民が地元の森林に対して誇りを持つことが重要だと考えます。
そこで、南アルプス市がその活用を検討している県民の森において、県と市が協力し、それぞれが運営している施設の一体的な管理や、アヤメ群落の復活に取り組むとともに、伊奈ヶ湖県民の森の日を制定し、地域住民が主体となった独自のイベントを展開することを提案しますが、県の御所見を伺います。

次に、エイズ対策についてであります。
本県では、1990年から2010年までの累積HIV感染者数は、人口10万人当たり10.66で、全国ワースト5位。エイズ患者数は、人口10万人当たり4.64と全国ワースト10位となっております。
さらに、性別年齢層を見ると、20歳代の女性が約25%、30歳代の男性が約20%を占めており、さらに最近10年間を見ても、約52%は30歳代以下が占めることから、若者の間では、実際には、HIV感染者がもっとたくさんいるのではないかと不安に思っております。
県では、このゆゆしき状況をどのように認識されているのか、御所見をお伺いいたします。
また、エイズ患者数やHIV感染者数を抑えるには、早期に発見し、感染を予防することが大切だと考えます。そこで、県では、各保健所において、無料相談とともに、匿名で無料のHIV抗体検査を実施しています。
しかし、残念なことに、HIV抗体検査の件数は2008年をピークに、2009年以降、減少し続けております。新たなエイズ患者数やHIV感染者数の増加を食いとめるためには、HIV抗体検査をもっと受けるようにしていかなければならないと考えます。具体的な対策をどのように考えているのか、御所見をお伺いいたします。
また、エイズの予防や蔓延防止には、若いときからエイズの知識を普及啓発することが大切だと考えます。県では、中学生や高校生等を対象とした講習会の開催やパンフレットの配布を実施されていますが、もっと効果的な普及啓発の施策を打ち出すべきだと考えますが、御所見を伺います。

次に、県内の高校における学校医についてであります。
私は、県内のある産婦人科医師から、性感染症が若年女性、女子中高校生の間にも多く広まっているという話を伺っています。女子中高校生という世代は身体的にも変化や悩みが多く、特に性感染症であるかもしれないことを打ち明けることには、相当な抵抗があることと思います。
そこで、学校医に、女生徒の立場に立って対応ができる産婦人科医師や女性医師を配置し、女生徒が相談しやすい体制を整備することが重要であると考えます。
しかし、県立高等学校における内科の学校医については、30名のうち女性医師はわずか2名であり、婦人科系の病気を初め、女性の身体に関する相談や問題にも踏み込んで対応できる体制には、ほど遠い状況にあります。
そこで、私は、産婦人科医師や同性である女性医師をふやしていくことにより、早期の対応が可能になると考えますが、高校における配置について、御所見をお伺いいたします。

次に、旧免許センター跡地の一時使用等活用方策について伺います。
南アルプス市野牛島には、平成18年の運転免許センターの移転に伴って、広大な敷地と建物が当時のまま放置されています。
この跡地については、平成21年度に県道の拡幅に伴い、北側部分は整備されましたが、地域住民からは、地域のイベント等に利用できる多目的広場として、あるいは、大規模災害時の避難場所として活用したいという声が寄せられており、こうした地元の意見に十分配慮し、今後の整備を進めることを強く願うものであります。
この跡地に対しては、南アルプス市において、明年度から敷地南側の市道整備と、その支障となる建物の解体を行う予定であります。今後の有効活用に向け、県としても、市と同時期に、残存する他の建物の解体及び整地を進めるべきだと考えますが、御所見を伺います。
また、地元からは、地域振興の観点から活用に向けた要望が寄せられているところであり、跡地の具体的な活用策が決定されるまでの間、南アルプス市または地元地域による一時的な使用を検討いただきたいと考えますが、御所見をお伺いします。

次に、この跡地の将来の活用方策についてであります。
私は、東海地震等への対応を考慮すると、橋梁や道路の早期復旧に向け、防災備蓄倉庫の設置を検討すべきと考えます。現在、中北地域には、韮崎市大草町及び中央市一町畑に倉庫が設置されていますが、船山橋、双田橋、信玄橋、開国橋などの橋梁があり、交通の要衝である南アルプス市北部に位置するこの跡地は、まさに防災備蓄倉庫を設置する適地と考えますが、御所見をお伺いいたします。

最後に、県産農産物の販売対策の強化について伺います。
私の地元のJAこま野では、生産物の有利販売や農家の所得向上、産地の知名度向上を目指し、南アルプスの恵みや農家の知恵と技術をフル活用したおいしい果実を南アルプスのフルーツ、つまり「あるふる」と愛称づけ、ブランドとして確立しようと取り組んでいます。
私は、このような地域独自の取り組みを促進し、農家の生産意欲を高め、競争力のある商品開発と地域のレベルアップを促進する施策に取り組むべきであると考えています。
県では、昨年、農産物販売戦略委員会を設置し、ブランド力の強化、輸出の促進、新たな需要の開拓の3つの論点において議論を行い、過日、提言として取りまとめました。
そこで、まず、提言の中にもあるブランド力強化にどのように取り組んでいくのか、御所見を伺います。
また、近年、国内販売価格が人口の減少や不況に伴い、長期低迷状況にある中、県産農産物の販路拡大について不可欠なのが、経済発展の続く東アジア諸国への輸出促進であると考えます。
私は、世界でもトップの品質を誇る桃やぶどうを持つ山梨が、率先して海外に打って出るべきであると考えます。県ではどのように取り組んでいくのか、御所見を伺います。

最後に、一政治家として、きのうよりもきょう、きょうよりもあすへと、一日一日、県民が幸せになるよう努力してまいります。
横内知事:
桜本議員の御質問にお答えをいたします。
ただいまは、御質問に先立ちまして、私の県政運営に対する評価のお言葉をいただきました。
今後も、暮らしやすさ日本一の実現に向けて、全力で取り組んでまいりますので、一層の御支援、御協力をお願い申し上げます。

初めに、リニア新駅周辺地域のまちづくりのあり方についての御質問であります。
まず、リニア新駅周辺のまちづくり構想及びステーションスタジアムの建設についての御質問がありました。
リニア新駅につきましては、本県の新たな玄関口となることから、山梨の美しい自然景観を生かした、だれもがおりてみたくなるような魅力的な施設にすべきだと考えております。
一方、駅周辺の整備につきましては、甲府圏域全体のまちづくりにも大きな影響を及ぼしますので、既存都市との整合も十分図る必要があります。
そこで、この地域の整備については、既存都市との調和を図りながら、駅を介してリニア効果を全県下に広く享受できるようにするため、交通ターミナル機能を中心として整備をしていきたいと考えております。
今後もこの考え方を基本としながら、同時に、リニアを活用して交流人口をふやすことも重要な課題でありますので、議員の御提案を初め、県民の皆様からも広く御意見をお伺いしながら、駅及び駅周辺が本県の玄関口にふさわしい魅力あるエリアとなるように、その整備のあり方を検討していきたいと考えております。

次に、リニア開業後の未来についての子供たちからの意見募集及びリニア新駅周辺のまちづくりに関する世界規模でのアイデア募集についての御質問であります。
リニア活用基本構想の策定を進めるに当たりましては、有識者から構成されるリニア活用推進懇話会、あるいは関係団体代表者から構成されるリニア活用策検討部会などにおいて、十分な議論をいただくとともに、県民の皆様からも幅広く御意見をお伺いしたいと考えております。
あわせて、議員御提案のとおり、将来を担う子供たちから意見を求めることなども大切でありますので、今後、リニア開業に向けて、さまざまな機会をとらえて、子供からお年寄りまで幅広い層からの意見募集を行うとともに、できる限り広い地域から、世界的視野に立ったアイデアが得られるよう、工夫もしてまいりたいと考えております。
リニア新駅と甲府駅を結ぶアクセスについての御質問がありました。
リニアによる時間短縮効果を最大限生かすために、両駅間を結ぶアクセス手段につきましては、現在、実施中の需要予測の調査を踏まえまして、需要量に見合った輸送ができることや、より速く確実な運行ができることなどの観点とともに、経済性の面から、さまざまな交通手段を含め、検討してまいりたいと考えております。
この場合、議員から御指摘がありましたように、リニア新駅及び駅周辺地域のまちづくりのあり方が、アクセス手段の検討に影響してまいりますので、両者は並行的に検討していきたいと考えております。

今後、これらリニアを活用した基盤整備の方向は、明年度、策定予定のリニア活用基本構想に位置づけてまいりたいと考えております。
次に、南アルプスインターチェンジ周辺の国際物流センターの設置についての御質問であります。
まず、本年度の研究状況でありますけれども、昨年8月に物流対策研究会において、宇都宮市のインランドデポを視察すると同時に、太田市の状況を調査したところであり、本県の設置の可能性について、検討を進めているところであります。
私も先月、太田国際貨物ターミナルを視察いたしまして、経営する第三セクターのトップから、運営状況などについて直接、お話を伺いました。
これまでの研究会の検討では、インランドデポは内陸部で通関手続ができるなどの多くのメリットがあるものの、他方で、県内企業からの一定量の貨物が見込めないと、運営は難しいということ。また、規制緩和が進みまして、インランドデポを利用しないで、自社の工場で通関して、直接、港湾に輸送できるAEO制度ができまして、大手企業はこれを活用する方向であるということ。また、国際貨物取り扱い業者、フォワーダーと呼んでおりますが、インランドデポを介さずに、みずから輸出入貨物を取り扱う営業活動を強めていることなど、新たな課題も明らかになったところであります。
このため、今後さらに調査検討が必要であることから、明年度は、輸出入を行う甲信地域の主要な製造業者や中小企業に対しまして、輸出入貨物量や通関手続の現状や、また、インランドデポが設置された場合の利用意向について把握をするために、調査を実施することにしております。

また、今後の設置の可能性を検討していく際には、議員の御指摘がありましたように、配送センターの集約化による物流の合理化や、検疫施設を誘致することによる農産物輸出の増加などの効果についても、十分検討していくとともに、物流動向や規制緩和の影響など、新たな課題についても調査検討を重ねていきたいと考えております。
次に、農村における都市住民と地域住民の交流についての御質問であります。
県、市町村、NPOで組織をする富士の国やまなし農村休暇邑協会というものがございまして、ここでは、農山村資源を活用した体験プログラムの企画コンテストを行い、優秀な提案を着地型旅行商品として提供しております。本年度は、農山村のすぐれた資源を活用した交流体験メニュー集を作成し、首都圏の旅行会社に配布しながら、農村を舞台としたツアーの造成の依頼を行っているところであります。
また、都市の住民が農村に滞在しながら、農作業や地域住民との触れ合いを楽しむ市民農園をこれまで4市町村で整備をするとともに、農村地域を社員研修や福利厚生の場として活用する企業の農園づくり事業では、10市町村において、これまで18企業の参入がありまして、これらを支援しております。

今後も、議員の御指摘のありましたような農作業を通じた都市住民との交流による農村地域の活性化、観光振興に取り組んでいきたいと考えております。
次に、エイズ対策について幾つかお尋ねをいただいております。
まず、感染状況に対する認識についてでありますが、本県においては、平成2年からの累積で、人口10万人当たりHIV感染者数が全国で5番目に高く、近年の累積感染者の伸び方も、全国平均に比べて緩やかではあるものの、毎年新たな感染者が報告されておりまして、引き続き重要な課題であると認識しております。
次に、HIV抗体検査受検件数の増加に向けた具体的な対策についてでございますが、HIV抗体検査につきましては、保健所ごとに検査日時を予約制により設定して、プライバシーの保護に十分な配慮を行いながら、感染予防の指導など、一人一人にきめ細かな対応を行っておりまして、このため、一日に検査できる件数が限られております。
本年度から、より検査を受けやすいように、検査の希望が多い平日の夜間についても、午後5時から7時までの間、すべての保健所において、毎月一回以上、実施しております。
その結果、夜間検査件数が昨年度の約2倍に増加しておりまして、今後もその効果を見きわめ、検査希望者や専門家の意見をいただく中で、受検しやすい体制づくりを検討していきたいと考えております。

最後に、県産農産物の販売対策の強化についての御質問がございました。
まず、第一の御質問であるブランド力の強化につきましては、農産物販売戦略委員会からの提言を受けまして、明年度、特選農産物認証制度を刷新する、新しくするということにしております。
具体的には、従来の制度は県内の地域ブランドと同列の位置づけであったわけでありますが、新しい制度では、県下の各地域ブランドを包含する形で再構築をいたしまして、地域ブランド力を結集した、質量ともに兼ね備える制度に生まれ変わらせたいと考えております。今後、この新たなブランド制度に適したロゴマークもあわせて作成いたしまして、ことし夏のトップセールスには間に合わせて、発表していきたいと考えております。
第二の御質問の輸出の促進についてでございます。原発事故等がありまして、香港へは平成22年を上回る輸出量を確保できたものの、全体としては輸出量は半減いたしました。
このため、県では、特に落ち込みが大きかった台湾向け桃輸出に関しまして、輸出業者との意見交換や検疫対策等の強化に取り組んだところであります。この結果、昨年は輸出を自粛した県内主要JAも、ことしは台湾への輸出に取り組むことになりました。
このような生産現場の動きと連動して、県では今回の提言も踏まえて、明年度は香港をターゲットとしたトップセールスや台湾等へのプロモーション活動に取り組むことにしておりまして、これらの取り組みを通じて、輸出の早期回復に努めていきたいと考えております。
田中総務部長:
桜本議員のクリーンエネルギーへの取り組みについての御質問にお答えします。
まず、米倉山を活用したPR施設についてであります。
米倉山に現在整備を進めておりますPR施設につきましては、本県の環境施策や再生可能エネルギーの仕組み等について、球体スクリーンなど最新の映像装置や展示パネルで紹介するとともに、太陽光発電、小水力発電、燃料電池等の機器を設置し、その稼働状況を展示するなど、楽しみながら学び、体験できる施設となるよう整備を進めてまいります。
また、館内の電力を自前の再生可能エネルギーで賄うほか、地熱ヒートポンプなどを利用した冷暖房装置を導入し、CO2ゼロを目指した施設運営を行ってまいります。
こうした展示や運営を行うことによりまして、地球温暖化などの環境学習の場とするとともに、次世代エネルギーの情報発信の拠点として活用し、クリーンエネルギー先進県やまなしを全国にアピールしてまいりたいと考えております。

次に、電力貯蔵技術の研究についてであります。
県では、先般、日本を代表する超電導の研究機関で、山梨リニア実験線を通じて本県とかかわりが深い鉄道総合技術研究所と協定を締結し、電力貯蔵技術の調査・研究や、超電導関連技術の情報発信などに連携して取り組むことといたしました。
今後につきましては、本年7月に有識者による委員会を設置し、研究の推進に向けた基本計画を年内を目途に策定するとともに、平成25年度から始まる見通しの国の電力貯蔵技術に関する実証試験の研究拠点誘致を目指してまいります。
また、明年度以降、研究会やシンポジウムを開催し、県内外の企業の技術交流や情報発信などにも努めてまいりたいと考えています。
田中総務部長:
桜本議員の旧免許センター跡地の一時使用等についての御質問にお答え申し上げます。
 旧免許センター跡地につきましては、今後の有効活用に向けまして、明年度に予定されております南アルプス市の市道整備などにあわせまして、残存する建物の解体及び整地を実施することといたしておりまして、明年度の当初予算に必要経費を計上いたしております。
また、未利用の県有地につきましては、活用策が決まるまでの短期的な使用といたしまして、公募で貸し付けを行う一時貸し付け制度を設けて、有効活用を図っているところでございまして、旧免許センター跡地につきましても、この制度による活用を検討してまいる考えでございます。
古屋福祉保健部長:
桜本議員のエイズ対策に関する効果的な普及啓発施策についての御質問にお答えをいたします。
HIV感染防止の普及啓発につきましては、10代の若い世代からの普及啓発が大変重要でありますので、中学生や高校生を対象といたしますエイズ講習会を、本年度は昨年度の2倍近い50カ所で、講習会を開催しております。
また、若者を含めた幅広い層に呼びかけるため、県臨床衛生検査技師会と共同で、ヴァンフォーレ甲府のホームゲームにおきまして、世界エイズデーのキャンペーンを実施したところでございまして、今後も、さまざまな機会をとらえ、大学やエイズ治療拠点病院、また民間団体やマスメディアなどの協力をいただきながら、より効果的なエイズ予防の普及啓発に努めてまいります。
深沢林務長:
桜本議員の伊奈ヶ湖県民の森の日の制定についての御質問にお答えいたします。
県民の森では、森林科学館や遊歩道などの非収益施設は県、キャンプ場やレストハウスなどの収益施設は南アルプス市が管理するという役割分担を基本に、これまで施設の運営に当たっておりますが、平成25年度の指定管理者の更新に向け、より効率的な運営を行う観点から、一体的な管理ができるよう検討してまいります。
また、アヤメ群落の復活につきましては、明年度、周囲の森林の間伐など、生育環境の改善を図るため森林整備を行うほか、南アルプス市が実施いたしますシカの防護ネットの設置経費に助成をしてまいります。
御提案の伊奈ヶ湖県民の森の日の制定についてでありますが、県では8月8日をやまなし山の日と定め、県下各地で特色のあるイベントを開催しており、新たな森の日の制定は難しいものでありますが、この山の日を中心に、県民の森で実施しております櫛形山の山麓を歩くトレッキングや、親子による木工教室など、山や森に親しむこれまでの事業に加えまして、市と連携して、地域住民の方々が主体となった魅力あるイベントを企画してまいりたいと考えております。
松村農政部長:
桜本議員の南アルプスインターチェンジ周辺における農園、ロハスファームづくりについての御質問にお答えします。
まず、耕作放棄地の取り組み状況についてであります。
本県では、平成20年度に耕作放棄地再生活用指針を策定し、その解消に力を入れてきた結果、本県の耕作放棄地面積は二年連続して減少しておるものの、いまだに高い状況が続いております。
このため、新規就農者や企業などの担い手が耕作放棄地を再生利用する取り組みや、耕作放棄地を解消して、菜の花などを植える農村の景観保全対策などへの支援を通じて、県農政の指針であるルネサンス大綱の目標年度の平成26年度までに、現在の耕作放棄地面積の約25%に当たる約700ヘクタールの再生活用を目指すこととしております。

次に、耕作放棄地を活用したロハスファームづくりについてであります。
県においては、NPO法人などの民間の力をかりながら、農村を舞台に交流活動を行う企業の農園づくりを推進しています。明年度は、農村の受け入れ態勢の充実や、企業と農村のマッチングを積極的に支援するため、市町村や参入を希望する企業、農村などで組織する企業ふるさと交流クラブを設置・運営し、参入企業の拡大につなげていきます。
その際、耕作放棄地を活用して農園づくりなどに取り組む場合は、簡易な整備を国の緊急対策交付金などで支援するほか、整備が大規模になる場合は、基盤整備や権利関係の調整を含め、市町村などを支援していきます。
なお、こうした耕作放棄地対策は、その後の利活用を視野に入れ、土地の所有者や関係者などの意向を十分反映する必要があるため、県が得意分野を生かして指導助言を行いながら、市町村と一体となって取り組むことが重要と考えております。
酒谷県土整備部長:
桜本議員の旧免許センター跡地の防災備蓄倉庫の設置についての御質問にお答えいたします。
県の防災備蓄倉庫は、各建設事務所管内に2カ所ずつ、計8カ所に設置されておりまして、被災時に道路や橋梁等の応急復旧に使用する土木用の資材を備蓄しております。
これにより、台風などの通常の災害への対応は可能と考えておりますけれども、東海地震などの大規模災害時に発生する広域的な被災に対しまして、より迅速に対応できる体制を構築する必要があると考えております。
このため、現在、その方策について検討を進めているところであり、緊急輸送道路に接している旧免許センター跡地も、中北地域における有力な候補地の一つになると考えております。
瀧田教育長:
桜本議員の県内の高校における学校医についての御質問にお答えいたします。
近年の社会環境や生活様式の急激な変化は、生徒の心身の健康にさまざまな影響を及ぼしており、県の調査によると、性感染症の報告数は、女生徒を含む15歳から29歳までの若者が大半を占めております。
このような中、学校では、健康管理全般にわたる指導に当たっている養護教諭等が、生徒の性感染症等の悩みなどの相談を受け、必要に応じて医療機関の受診などを促しているところであり、これを通じて女生徒への相談体制の充実を図るとともに、学校医への婦人科医や女性医師の配置についても、その確保の可能性を含め、医療機関等の御意見を伺いながら、検討してまいります。
桜本:
ロハスファームづくりについて再質問をさせていただきます。
農業を取り巻く環境の中でも、このロハスファームというものを交流拠点としながら、今、大学の教育課程もさま変わりしております。例えば教育実習あるいは介護体験と、これからは農業実習というような芽も育ってくるというような話も聞いております。
また、都市部の裕福な自治体との交流を持ちながら、この山梨と都市部を連携していく。そして、建設するときには都市部からも建設費を出していただく。運営にも加わっていただく、そういった考え方もできるかと思います。お考えをお聞かせください。
松村農政部長:
議員が御提唱されますロハスファームが目指すものは、都市農村交流の促進という目的に沿ったものだと考えております。その方向性につきましては、私たちも全く同じ思いを持っておりまして、先ほど述べました県の農政の指針でございますルネサンス大綱におきましても、観光農業の振興、都市との交流の促進は大きな柱として位置づけております。
先ほど答弁に述べました企業のふるさと交流クラブでございますけれども、この構成員といたしましては、詳細はこれから検討していきますが、企業とか市町村、幅広い方々にその輪に入っていただくことを想定しております。都市農村の交流のあり方はいろいろなケースがございます。それぞれのケースに応じまして、どのような取り組みが適当なのか、この交流クラブの活動などを通じて、これからも検討を重ねていきたいと思っております。

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